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リカちゃん嫌い と熊郎(クマロー) の正体



女の子なら、リカちゃん人形やバービー人形というのを、
誰もが好きになるものでしょうか?
子どもの頃の私にとって、
それらは恐怖の対象でしかありませんでした。



あの、洋服、持ち物のみならず、
生活全般すべてが、お洒落づくしな世界感。



「女は作られる」、と言った人がいるそうですが、
男の子でもメカニックなものや武道やスポーツなどを
全員が好きになるわけではないように、
女の子も、いわゆる女子的なものを全員が好きになるわけではないと思うのです。
むしろ、昨今は「女子力」なる言葉が現れ、
それを向上させるべく、妙齢のみなさんが日々努力されているように、
女的なものって、
かなり、つくりこんでいくエネルギーが必要なんだと思うんですね。


男兄弟の中で、男っぽいものに囲まれていたせいか、
リカちゃんやバービーを渡されると、
「女とは、こんなに、飾りたててうっふん、みたいにしなければいけないものなのか?」
と、その、自分の生活とのギャップにフリーズし、
リカちゃんハウスで、手と足をどのように動かすべきなのか、
そのあたりの初歩的なところから、全くわからない私でした。

しかし、大人たちがにこにこして、
それらのプレゼントを下さろうとするのを、ただ嫌がるだけではまずいだろうと、
幼少なりに人様の顔色を見たりはするものですから、
そこで、私が救いを見出したのが、
こんないい年になっても、今だ、つい集めてしまう
ドーブツのぬいぐるみです。

リカちゃんを持ってきそうな大人の気配を察すると、
ぬいぐるまーであることをアピールし、
リカちゃんはお値段高いし、ぬいぐるみをこんなに集めているのだし、
ぬいぐるみでおねがいしまっす!みたいな。
そうしてリカちゃんを阻止して集めたぬいさんたちに、
Y子ちゃんもたいへんだね。
と八の字の口で、ふんふんと癒されながら、
おだやかな眠りにつくのでした。



ところで、ぬいぐるみというのは、
可愛がられて、人の念が入ると、
確実にイキイキしてくるものなのですね。
こわいけど。

私がブログ内四コマまんが(「日々の熊郎」)などに描いております、
熊郎(クマロー)というゆるいキャラは、
もとはと言えば、うちの十数年もののぬいぐるみのクマを、
息子にせがまれ絵にしているうち、
なんとなく生まれたものなのです。


熊郎は、おっとり顔でいながら目力が強く、
どんな新入りのぬいぐるみが入ってきても、
一番人気の座をゆずる気配の微塵もない、
存在感あふれるクマなのでしたが、
ある時、鼻が割れ、壊れてしまった時がありました。



哀れクマロー、ぬいぐるみの病院に送られるはずでしたが、
忙しさにまぎれ、押し入れの中で忘れ去られてしまいました。


熊郎なきあと、
今まで誰にもかえりみられず、
そのへんに放置されていたオレンジ色のうさぎの抱きまくらが、
熊郎と同じくらいの大きさだというだけで、
可愛いがられるようになりました。


すると、不思議なのですけれど、
今まで誰に見向きもされなかった、
オレンジうさぎの抱きまくらが、
家に来た人たち誰もかれもに、
「わーかわいい!これどこに売ってるの?」などと、
欲しがられるくらいの人気が出、
存在感を醸し出すようになったのです。


熊郎はある日、大きくなった息子に押し入れの中から救出され鼻も直して復活したとき、
オレンジうさぎは「ちっ こいつ帰ってきやがった」という顔をし、
熊郎のほうは、「オイラの留守に、よくも、のしあがりやがって……」、
というような顔つきで二匹の間には、不穏な空気が漂っておりました。


そんな二匹でしたが、その後、気が合ったのか、和解し、
今では我が家のぬいぐるみ一座のツートップの位置を確立し、
あまつさえ、私Y子の脳内に電波を送り、
漫画の主人公にさえなるという擬人化ぶり。


いつかこの者たちが、世を去ることになった折には、
ふつうの神社の人形供養などでは、ものたりなさそうな勢い……
人間なみの葬式でも出してやらんといかんかのう、
というくらいの
イキイキっぷりでコワイです。